この思いを迷宮に捧ぐ

「いや?女なんて、俺と母親が生き延びるための手段の一つだけど。特定の女に強い関心を引かれることなんてめったにない。そう思うと、美砂さんは特別かもな」

手段の、一つ。

千砂はまた、翠親子の過去を垣間見た気になる。

「そうね。私も姉さんは特別な人だと思う」

体の丈夫さを除けば、何一つかなわなかった。

そして、周りの人間と同様、千砂も美砂が大好きだった。


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