この思いを迷宮に捧ぐ

今度こそ、千砂は気を失うかと思った。馬鹿じゃないか、この男。いや馬鹿に違いない。

騒然とする議場をものともせず、鼻歌まじりに翠は千砂の腕を引いて歩き出す。もはや千砂の抗議する声など誰にも聞こえないような状態だ。

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