この思いを迷宮に捧ぐ


なんとかたどり着いた部屋で、千砂は深呼吸をして気を静める。

落ち着いて言い聞かせなければ。
そうやって言葉を探していると、いつも遅れをとるのだ。


「ん!」

ぶちゅっと音がそうな派手なキスに、千砂は慌てた。

「私を助けただけじゃ」
「ないよ。大体、あんたを助ける気なんかさらさらないし」
「は!?」
「あんたがチクチク責められてるの見るとゾクゾクすんのに」
「はい!?」
「ほんとに子ども産ませてやろうと思って」
「だから、その話は...!」
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