この思いを迷宮に捧ぐ
昨夜の度重なる質問から、千砂が翠の気持ちにさえ、全く気付いていないことだけはよくわかったところなのだから。


「千砂?」

どこか寂しげな翠に、いつの間にか見入っていた千砂は、慌てて頷いてみせた。

翠の言葉に嘘がないことくらいは、きちんと理解ができた。

私に子どもができたら、翠は嬉しいらしい。

もう一度、心の中で、翠の言葉を反芻してみる。

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