この思いを迷宮に捧ぐ
土の国だけはそれがないのだ。
強いて言うなら、宝石は天然資源だが、それを他国に売って動力に変換するなら、動力を国内に伝えるための大がかりな装置も必要になる。
山の多い地形であるため、強いて言うなら、いくらか風は吹く。
そのため、風の国の風力発電を参考にすることになったのだった。
「こんにちは」
案内された客間で一息ついた頃、風汰がやってきた。
「ごきげんよう」
挨拶も軽い握手で済む。何度か顔を合わせていて、千砂も彼に関しては警戒心をほとんど持っていない。