この思いを迷宮に捧ぐ
「風汰さん、私も鍛えていますから、ご安心を。土の国の人間は皆強いのです」
千砂はそう告げる。そう、王族の女たちも例外ではない。婚姻によって一族になる人間はそうでもないが、生まれついたのが王族だった場合は、男女問わず、幼い内から武道を習うのが一般的だ。
「格好いいなあ・・・!また僕が国にお邪魔したときには、どなたか先生を紹介してくださいね」
目をキラキラさせながら、素直に感心している。
風汰のこういうところは、朱里に似ている。
いや、もしかすると、朱里の方がこういう風汰に接することで、考え方が似たのかもしれない。