この思いを迷宮に捧ぐ
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千砂は、そこからは職務に専念すべく、風力発電のことばかり考えた。
朝は事前に自国で入手していた資料を読み、夜は風の国でもらった数値を分析し、昼は、各地の発電所を見て回った。
「坡留、この大きさなら何とか、平地の少ない国内でも作れないかしら」
部屋の机に図面や地図を広げ、坡留とそれをのぞき込んで話し合った。
はじめは無理かもしれないと思っていたことが、少し現実味を帯びてくると、人は熱中するものだ。
国を豊かにする。育てる。
それは長い長い仕事になるかもしれない。もしかしたら、その道のりで、突き飛ばされて力尽きるかもしれない。