この思いを迷宮に捧ぐ
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「つまりは、外務大臣が、外国公演を行う劇団に賄賂を要求し続けていたということですね」
千砂は、そう一言でまとめられる事実を掴むために、晁登がどれほど骨を折ったことかと思いやられた。
「そうです。かなり汚い手を使っていたらしく、誰が首謀者かわからない状態で、煌も長年苦しめられた様子です」
「演劇は、我が国の重要な産業と言えるでしょう。それを阻害したのですから、彼を厳罰に処してください」
千砂がそう告げて、話を切り上げようとすると、大臣たちは口をつぐんだ。
「陛下、証拠がないのです」
「…ひとつも?」
「はい。ひとつも出ません」
「では、罪人は、どのように申し開きを?」
「しないのです」
「…全く?」
「はい。何一つ、尋問に答えません」
はあ。
堪えきれずにため息が零れて、千砂は強い疲労を初めて感じた。
頭が痛い。
「つまりは、外務大臣が、外国公演を行う劇団に賄賂を要求し続けていたということですね」
千砂は、そう一言でまとめられる事実を掴むために、晁登がどれほど骨を折ったことかと思いやられた。
「そうです。かなり汚い手を使っていたらしく、誰が首謀者かわからない状態で、煌も長年苦しめられた様子です」
「演劇は、我が国の重要な産業と言えるでしょう。それを阻害したのですから、彼を厳罰に処してください」
千砂がそう告げて、話を切り上げようとすると、大臣たちは口をつぐんだ。
「陛下、証拠がないのです」
「…ひとつも?」
「はい。ひとつも出ません」
「では、罪人は、どのように申し開きを?」
「しないのです」
「…全く?」
「はい。何一つ、尋問に答えません」
はあ。
堪えきれずにため息が零れて、千砂は強い疲労を初めて感じた。
頭が痛い。