黒うさぎからの招待状
「賢也。」
ネックレスを首にかけてから、話しかけた。
「何だ?」
「絶対に一人にならないでよ?」
「ならねーよ。何回言うんだよ。」
「…心配だもん。賢也が居なくなっちゃったら…。アタシ…、アタシ…!」
「珠璃っ…。」
泣きだしそうなアタシを、賢也は遠慮がちに抱き寄せた。
「俺は大丈夫。心配すんな。珠璃こそ、離れるなよ。」
「アタシはずっと賢也の傍に居るよ。ずーっと…。賢也が嫌って言うまで居てやるんだから。」
「言ったな?」
「言ったよ。」
「ずっと居ろよ?」
「うん…。」
アタシの肩に乗せている手に、少しだけ、力が加わった。
「…ニャァ!」
「っ!」
いきなり外から聞こえた鳴き声に、アタシ達は慌てて離れた。
「じゅっ…、ジュノかな?」
アタシは立ち上がって、ドアを開けた。










アタシ達の悪夢の始まりだった。
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