黒うさぎからの招待状
「ニャアァ…。」
ジュノはアタシの腕から抜け出すと、ホールへと繋がる階段とは逆の向きに歩き出した。
「ジュノ、こっちだよ?おいで。」
アタシはジュノを抱き上げようとしたが、あと少しの所で逃げられてしまった。
「とりあえず、着いてってみねぇか?」
「そうだね。ジェームスさんの猫だもんね。」
アタシは賢也の提案に乗り、ジュノの後を着いて行った。
「あっ。」
「どうした?」
「ジェームスさんに言っておいた方がいいかな?今から行くって。」
「そう…だな。ネックレス。」
「あ、いいよ。アタシが話すから。」
アタシはネックレスを首から外して、裏のボタンを押した。
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