黒うさぎからの招待状
「ドウシタ?反応ガ鈍イゾ。」
「痛ぁ…。」
景色が、ぼやける。
アタシの、すぐ後ろにエイミーが立っている。
何も、考えられない。
何も…。
「…っ。」
「私ヲ殺スンジャナカッタノカ?」
「あんたは許さない…。」
「ソウカ。ダッタラ動イテミロ。」
「言われなくても…。」
アタシはそう言ったものの、体に力が入らない。
「ドウシタ?動イテミロ。」
何もしていないのに、呼吸が乱れていく。
体力が落ちていっている気がした。
まるで、吸い取られているかのように。
「ハァッ…、ハァッ…!」
アタシは片手で胸を押さえ、もう片方の手で、床に手をついた。
「マダ何モシテナイゾ。早ク立テ。」
エイミーはそう言って、アタシの頭を掴んだ。
「っ…!」
「立テ。」
アタシはフラフラになりながらも、立った。
その瞬間
「ア゛ァ!」
エイミーの小さな悲鳴が聞こえたかと思うと、突然、エイミーの動きが止まった。
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