黒うさぎからの招待状
「くっ…!」
相当体力を使うのか、ジェームスさんとダニエルの額には、汗がにじんでいた。
「オ…、オ前…タチ…!イツノ間ニ…ソンナ術ヲ身ニツケタンダ…!」
膜の内側で、エイミーが呟いた。
「ガキの頃の俺達とは違うんだよ!!」
ダニエルがそう言うと、ジェームスさんが、もうダメだ!と叫んだ。
「止めよう、ジェームス。」
「分かった。準備はいいね?珠璃。」
「……はい。」
銃口をエイミーに向け、確実に、心臓部に当たるように調節した。
「………いくよ。」
ジェームスさんがそう言うと。

―パリン!!!

ガラスが割れたような音がして、エイミーを覆っていた膜が破裂した。
咄嗟に、銃を撃った。
弾が、スローモーションのように飛んでいく。
1センチ、また1センチと、エイミーに近づいていく。
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