黒うさぎからの招待状
「…り。珠璃。」
賢也の声が聞こえ、そっと目を開けた。
「ん…。」
「着いたよ。」
辺りを見渡すと、そこは魔法堂の中だった。
「あ…。」
「ん?どうした?」
「あ、いや…。別に…。」
「そういえば、ダニエルって、現実世界に来てても大丈夫なんですか?」
賢也がジェームスさんに聞いた。
「一応、僕と一緒だからね。大丈夫だよ。最後にこっちに来たのはいつだっけ?」
「多分、100年以上前だ。」
「百年…?!ジェームスさん達って、何年生きてるんですか?!」
アタシは、身を乗り出して聞いた。
「軽く、1000年位かな。まだまだ子供だよ。」
「1000年で子供…?!」
「じゃあ、俺らなんか赤ちゃんじゃね…?」
「本当だ…。」
アタシ達は。顔をあわせながら俯いた。
「ま、まぁ…。」
ジェームスさんがアタシと賢也の肩を叩きながら言った。

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