黒うさぎからの招待状
「…エレナ、どう?」


ジェームスさんが慎重に聞いた。


「…こちらに来る前に占っておけばよかったですわ」

「ということは…」

「…最悪ですわ」


エレナさんが、ため息をついた。


「今年のパーティーは、最悪です。何か良からぬ事が起こりますわ…」

「…そっか。分かった、ありがとう。疲れたでしょ?部屋に帰っていいよ」

「分かりました」


エレナさんはタロットカードをまとめて、立ち上がった。


「失礼します」

「うん。また、後でね」


エレナさんは、静かに扉を開け、部屋を出ていった。
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