吸血鬼少女と孤独な少年〜魔法学園編〜
??side




ここは王都外れたスラム街と化した場所。
街灯一つなくゴミばかりが散乱してるだけ...
本当に汚すぎるよなあ




俺は呑気に鼻歌を歌いながら、追いかけていた獲物を探している。




物静かで風の音と、コツコツ...とピンヒールの音しか聞こえない。




いや~逆に聞こえなくなったら困るんけどな?
鼻も使えないことはないんだが、血の匂いが薄すぎんだよ。




「あーもう飽きたからやーめた」




軽く地面を蹴り獲物との距離を一気に縮める。




「よぉ?」



「ひぃ...っ!いつの間に!?」



女は目に涙を浮かべ怯えながら後ずさり、俺の方を見る。



理解出来ないよなあ?そりゃだって、相手が吸血鬼だからね...ククっ、逃げ切れると思ったら大間違いにも程があんぞ。



「こうして鬼ごっこするのもいいけどよぉ……
さっさと大人しく降参しろよ?」



そうして壁際まで追い詰められた女に逃げ場がなくなった。



「い、いやっ…!こないで!!





この……バケモノがっ」




< 2 / 181 >

この作品をシェア

pagetop