吸血鬼少女と孤独な少年〜魔法学園編〜
「…お前が取り逃がした吸血鬼が、
ローラル魔法学園にいる可能性がある」
「それは今までのお話で理解出来てますよ。
ただ、何故私が学園に入学しなくてはいけないのでしょうか?」
素直な疑問を口にする、遠回しな言い方や言い訳はいらない。
私が、魔法学園に入学しなくてはいけない理由だけを知りたかった。
これが取り逃がした吸血鬼の物だったと仮定する。
吸血鬼はローラル魔法学園の生徒として、今まで普通に通っていたことになるけれど...
それがそもそもおかしな話で、学園内には結界が貼ってあるはずだ。
結界術者であれば、結界内にいる相手の種族が分かる。
現にこの家に貼ってある結界は私が術者で管理しているから、理解出来ないんだ。