彼は未来人
二人の転校生



4月。
今日から高校3年生の生活が始まる。



「今年でこの制服も終わりか・・・」


1人鏡の前で制服をまじまじと見つめながらつぶやいてみた。
この制服、結構お気に入りだったんだよな。


「さゆりーちょっといい?」

「え?!びっくりした。ノックしてよね。」


入ってきたのは、姉のかおり。
お姉ちゃんは、窓を指さした。


「窓見てみて?」

「え?窓?」


あたしは、言われたとおりに窓のカーテンを開けた。


シャッ!!


「・・・・?あれ、隣誰か引っ越してきた?」


よく見ると、隣の家に引っ越しのトラックが2台。
せっせと荷物を運んでいる。

お姉ちゃんは、後ろからあたしにのしかかる。


「いて。」

「どんな人来るんだろうね?」

「さぁ・・近所迷惑な人じゃなければいいけど。」

「同い年の子とかだったら楽しそうね」

「も~!!お姉ちゃん重いからどけて!!」

「あ!姉に向かってなんてことを!!」


お姉ちゃんを退けて、あたしは1階へ降りていった。

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