彼は未来人
そして、みりの番になったとき。
「村田みりです。好きな食べ物は、えーと。」
みり、なんて答えるんだろう……??
「チョコレートです!」
「お、合ってた。」
安西くんは当たり前のように余裕だった。
な、なんで??
ーーーーー
「ちょっと!!来て!!」
あたしは、安西くんを人気のないところへ連れて行った。
安西くんは驚いていたけど、喜んでついて来てくれた。
「まさかさゆりから誘ってくれるとは」
「あなた何者なの??」
「さっきも言ったけど、俺とさゆりは前に会ったことがある。それだけ」
「悪いけど、あたしには記憶がない。そんな覚えがない。」
「当然だよ」
「なんで?」
安西くんは、少し悲しい顔をしていた。
一瞬、あたしも怒り口調を緩めてしまう。
「……せめて、どこから来たのか教えてくれない?」
安西くんは、まっすぐにあたしを見た。
「驚くと思うよ」
「どうして?」
「だって、未来から来たんだもん」
え??
安西くんの真剣な眼差しに、あたしは口答えすることができなかった。