彼は未来人



女の子の後ろには、前を見ないで走る男子生徒がいた。

ドンっとぶつかり、彼氏は見事に彼女をキャッチした。



「ありがと。」

「いや、別に」



すると、2人は吹き出し笑いをして帰って行った。


「うそ。」


「すごかった?俺の力」


「あの走ってた男の子は、たまたまだったかもしれないでしょ?」

「いや、違うんだ。俺が能力を使った」


「能力?」



安西くんはそう言うと、ポリポリとまた頬を掻いた。


「ここさ。右頬を掻きながら何かを言うと、それは本当のことになるんだ。」


安西くんは、右頬をポリポリする。



「信じらんない。」



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