彼は未来人
放課後。
あたしはみりとファーストフード店にいた。
「で?話ってなに?」
「だから、安西くんはあたしと前にあった事があるって言い張るの。」
「前に会ったことがある?さゆりは覚えてるの?」
「それが覚えてなくって・・・」
「何それ。」
「それで、その・・・・本当におかしなことなんだけど。」
それから、あたしはさっきのことを包み隠さず話してみた。
みりがチョコレートを好きなこと、自己紹介で話すと予知したこと。
お姉ちゃんの存在を知っていること。
特殊能力を使ってカップルを仲直りさせるといい本当に仲直りさせてしまったこと。
そして、その特殊能力は未来人であるからということ。
安西陽太は、未来から来たということ。
この話をするかは話す手前まで迷ったんだけど、みりには話してみようと思った。
みりはずっと、空中にある空気をみるような感じでしばらく整理しているようだった。
「・・・ごめんね、よくわからないよね?忘れて!」
「・・・さゆり。」
「なに?」
「信じたい。信じたいけど・・・」
確かに、話を聞かされただけじゃ信じることも難しいよね。