彼は未来人


「あら、さゆり起きたのね。ありがとうお姉ちゃん。」

「うん。まだ寝てたよ」

「嘘言わないで!ちゃんと起きてました~。」

「いいからご飯食べちゃいなさい。」


お母さんの作った朝ごはんはもうテーブルの上にあった。

牛乳だけ自分で注いで、席に座る。
お姉ちゃんも、牛乳を片手に座るとお母さんにさっきの話を持ち掛けた。


「ねぇお母さん、隣の家なんだけどさ・・」

「あぁ、そうなのよね。引っ越してきたわよね。誰かしら?」

「お母さんもどんな人か知らないの?」

「普通、どんな人か近所のお母さんたちと話題になるんだけど、今回は全くそんな話しなかったのよね」


お母さんは、よくゴミ捨てに行ったりしたついでに近所のお母さんたちと世間話をしてみるみたい。
ここら辺の事情とかは漏らさずにキャッチしてくるのに。


「秘密主義の人だったりしてー」

「それはそれで怖いな。さ、いこーっと。」

「え、もうそんな時間?!」


時計を見ると、もう家を出なきゃいけない時間。
大学生のお姉ちゃんは、おしゃれな鞄を持つとさっさと玄関に向かった。


「待ってよー!!」

「なんでついてくるのよー!」

「いってらっしゃーい」


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