彼は未来人
「えっ?」
後ろを向くと、隣の安西くんが驚いた顔をしていた。
あたしの腕をガッチリと掴みながら。
「えっと……」
「会いたかったよ」
え?
「会いたかった。さゆり」
頭が真っ白になった。
まだ、あたし安西くんに名前教えてなかったよね?
なんで、名前を知ってるの……??
「あたし、名前教えてないよね?なんで?」
安西くんは、満面の笑みで腕を話すとこう言った。
「西村さゆり。お姉ちゃんはかおり。親友はそこにいる村田みり。そうでしょ?」
「ぇ?」
「へへ。前に会ったことあるんだよ。君は覚えてないかもしれないけどさ。」
あたしは、呆然と立ち尽くしていた。
「ほんっとに会いたかった。夢じゃないよね。」
ふわりと抱きしめられて、周りのみんなは驚きの声をあげた。