私は雨の日が好き
パラパラと地味に、いつまでも降りそうな雨
雨雲は厚く、空一面に広がっている
むっとした湿気を肌から感じ、じめじめしていることがよく分かる。
上履きから白の運動靴に履き替え、ランドセル同様の赤色の傘を取り
傘を広げると、ポツポツと遠慮がちな音が鳴った
大きな水溜まりがグラウンドに広がっていて、いつものように遊んでいる者は一人もいない
下校がかなり遅くなってしまったからか、校門までの道のりも、一人としていなかった。
晴れの日なら、少しはいたのだろう。
でもまぁ、一人の空間も悪くないかな。と、静けさが目立つ学校を横に
急ぐわけでもなく、ゆっくりとした足取りで歩いていると
「おかもとっ!」
と、いきなり私を呼ぶ声が後ろから聞こえた。