秘密実験【完全版】
透明感のある白く柔らかそうな肌に、小ぶりながら形の良い乳房、ほっそりとした腰つき。
杏奈は若さに満ち溢れた美しい裸体をさらしながら、冷たいシャワーを浴びた。
背後では女が嫉妬に燃えた目で見ているとも知らず……。
「一分経過。バスルームから出なさい」
「待って! まだ髪の毛洗ってな──」
「アタシに逆らうの!? ……分かった、洗ってあげるわよホラ」
女は荒々しく言うと、杏奈の髪を力いっぱい掴んだ。
「痛いっ、やめて……!」
あまりの痛さに叫び声を上げながら、引っ張られた反動でバスタブに倒れ込む。
そして、冷水を頭から容赦なく浴びせられた。
「お痒いところはございませんかぁ~? お客様!」
「いやっ……離し……、ゴホッゴホッ!」
杏奈の頭を押さえつけながら、女が美容師の口調を真似する。
水が鼻と口に入り、激しく噎(む)せた。
呼吸困難に陥りそうになる寸前に、やっと解放された。
「アンタが約束守らないからだからね! 分かった?」
「……ごほッ! ハァ、ハァ……」
杏奈はバスタブにうずくまったまま、口から水を吐き出した。
何とか呼吸を整えると、壁に手をつきながらヨロヨロと立ち上がった。
何で私がこんな目に遭わなきゃいけないの……。
ムカつく!!
杏奈は無言で女を睨みつけるが、頬を打たれると言う返り討ちに遭ってしまう。
「お前、生意気。ブスのくせに。……ふん!」
ワンピースを着た杏奈に手錠をすると、女は精一杯の負け惜しみを吐き捨て部屋から出て行った。