リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「べっ、別に見てません!」
私は慌てて言葉を返すと、すぐにさっと目をそらした。
そして、全ての謎が解けた今。
やっぱり王子様のような人だった兄、青山さんに向けて渾身の笑顔を作る。
そして、意を決して口を開いた。
「あのっ、青山さん!」
「ん?」
「かっ、傘をですね…」
「傘?」
「……はい。お借りしてるままの傘を、返したいので……その…あの…もしよろしければなんですけども……えっと…」
ゴニョゴニョと、尻すぼみに小さくなっていく声のボリューム。
ダメだ、このままじゃ。
このままじゃ…ずっと返せなくなるし、お礼だってできない。
こんな私に優しくしてくれた人だよ?
ブス、デブ、メガネ。
こんなトリプルパンチ女に、優しくしてくれたんだよ?
絶対お礼しなきゃ、バチがあたる。