リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「ありがとう、健太。なんか……緊張もちょっとだけ和らいだ気がする」
そう言いながら、傘の柄をぎゅっと握りしめた。
「おう。ところでおまえさ、大樹さんの言ってたカフェ本当に知ってんの?」
「…えっ」
やばい、すっかり忘れてた。
っていうか、お店の名前すら…覚えてない。
「ははっ、その顔は完全に知らないって顔だな。むしろ店名すら覚えてないとか?」
うぅ…健太の指摘はあまりにも図星過ぎて言葉も出てこない。
「ベリー」
「えっ?」
「だから店の名前はベリーだっつーの。駅からだと歩いて五分くらいかな。つーか、すぐ携帯に送ってやるからそれ見て行けば大丈夫だろ」
健太はそう言うと、そのままスタスタと歩いていく。
「……あ!ありがと!」
その背中を見つめながら、私もゆっくりと歩き出した。