リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
なんだかんだいっても、やっぱり優しいんだ。
本当、昔っから……変わってない。
ジムを出てすぐに携帯に届いた健太からのメッセージを見つめると、思わずこぼれた笑み。
幼なじみの変わらない優しさに触れたせいか、今はすごく穏やかな気持ちで待ち合わせに向かうことができる気がした。
朝から緊張し過ぎてどうしようもなかったはずなのに。
歩いている足も、心なしか軽やかになっていく。
駅に着き改札を抜けると、タイミング良く到着した電車。
それに乗り、うつりかわる窓の向こうの景色をぼんやりと見つめながら、私は青山さんと初めて会った時のことを思い出していた。
頑張っても頑張っても、うまくいかなかった就職活動。
あの時の私は、もう人生終わった……なんて思ってたし。
ひどすぎる自分の姿にも、情けなくてたまらなかった。
だけどあの土砂降りの雨の中で、青山さんはこの藍色の傘と一緒に、まるで王子様みたいに現れて。
そして優しく……微笑んでくれた。
本当に……嬉しかった。
私みたいな女に、優しくしてくれたことが。
この傘を、こんな私に差し出してくれたことが……本当に本当に嬉しかったから。
だから……ちゃんとお礼を言いたいんだ。
これは、人として。
「ありがとう」の気持ちを青山さんにちゃんと、伝えたいと思ってるんだよね。