リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「ねぇ、健太」
「ん?」
「私、そろそろまた…就職活動始めなきゃなって思ってるんだよね」
賑わう雰囲気の店内で、こんな真面目なトークは決して似合わないけど。
「また一から……いや、ゼロからか。頑張ってみようかなってさ」
信頼できる幼なじみにだからこそ、今の自分の新たな目標を口にすることができたんだと思う。
「……そっか。まぁ、マジで大変だとは思うし…就職活動、すぐにはうまくいかないかもしれないけど。でも、今のおまえなら絶対大丈夫だ。頑張れよ!」
健太は力強くそう言ってくれた。
おまえなら大丈夫、頑張れ、と明るく言ってくれた。
きっとまた、面接を受ける会社からのお祈りメールや、不採用通知の紙切れに心が折れそうになることだってあると思う。
自信をなくして、落ち込むことだってあるはずだ。
だけど、私を生まれ変わらせてくれた健太に、大丈夫、頑張れ、と言ってもらえると、ほんの少しだけ自信をもてるような気がした。
就職も…努力と根性で頑張ろう。
諦めたら、そこで終わりなんだから。
スパッと気持ちを切り替えた私は、目の前の酎ハイのジョッキを手にした。
「おいおい、無理すんなよ〜?」
健太は酎ハイを飲む私を隣から笑って見ている。
「大丈夫!私、お酒にも強くなってやるんだから」
もう、何でもかかってこい!だ。
今の私は……なんだって出来る!
なんだってやってやる!
お酒になんて飲まれるもんか!
私はゴクゴク喉を鳴らしながら、酎ハイを一気に飲みほした。
だけど……
やっぱり調子に乗りすぎるのは間違ったと、私はすぐに後悔する。