リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「返事は別に急がないし、嫌なら断ってくれて本当に大丈夫よ。でもとりあえず…今から会社見学を兼ねて中を案内しようかしら?社内の雰囲気も伝わりやすいと思うし。ねぇ、大樹?」
「あぁ、そうする?じゃあ、このまま会社向かえばオッケー?」
「うん、よろしく」
交わされるふたりの会話が、右から左に流れていく。
今から会社……
社内見学を兼ねた会社案内……
っていうか、あの青山商事に⁉︎
あの大手企業に私なんかが?
心臓が、ドキドキうるさい。
「ばあちゃんは真琴ちゃんの親切が本当に嬉しかったんだってさ」
私の…親切?
「えぇ、そうよ。あんな土砂降りの雨の中で、真琴さんはずっと私なんかのために傘をさしてタクシーを一緒に待ってくれてたんだもの。自分はほとんど濡れながら。今でもハッキリと覚えてるわ」
おばあさんはそう言うと、私に微笑みながら「あの時は本当にありがとう」と優しく言ってくれた。
あんな小さな親切を、この人は今でも覚えてくれているんだ。
そう思うと、なんだか心の中があたたかくなっていく。