リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「さっきのアレは確かにすまないと思ってる。でも、わざと触ったわけじゃない。あれは完全に事故だ」
彼はそう言うとチラッと私の顔を見る。
「……わっ、わかってます!ぜっ、全然!本当に全然気にしてません!胸をわし掴みされたなんて……別に思ってませんので!」
私は慌てて言葉を返した。
「わし掴みって…そんなに強く掴んだつもりはなかったんだが」
「やっ、えっ、あっ……すっ、すみません!」
勢いでわし掴みとか言っちゃって、私、すっごい気にしてるみたいじゃん。
……いや、気にしてないって言ったらそれはそれでウソになるけど。
「まぁ、とにかくそんなに警戒しないでくれ。別に俺は会社見学に来た人間にセクハラするようなバカじゃない」
青山友樹はそう言うと、何事もなかったかのように経営企画部のフロアを順に案内してくれた。
警戒しないでくれと言われてからは、私もあえて平然としていたけど、しばらくはずっと、彼のことを意識せずにはいられなかった。