リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「とりあえず、この階はこれでおしまい。この上の20階は、全フロアが会議室になってる。大小合わせたら10箇所あるけど、おそらく今は…半分は使用中かも。どうする?空いてる会議室でも見学する?」
経営企画部の案内を終えた青山友樹は、エレベーター前にたどり着くと、そう言いながらこちらを振り向いた。
会議室なんて見学してもな……万が一、会議をしている人たちの邪魔になったりしたら嫌だし…
「そんなとこに興味ねえよって顔してるな」
「えっ⁉︎…いえ…そんな……」
「ははっ、まぁ会議室なんて見学しても面白くもないだろうし。20階は飛ばして最上階に行こうか」
彼はそう言うと、上階へ向かうエレベーターのボタンを押す。
チラッとその姿に目を向けると、相変わらずのルックスの良さに思わずジッとその後ろ姿を見てしまっていた。
やっぱり背……高いな。
腰の位置も高いからか、脚だってすっごく長いし。
まるで街中のショーウインドウに立つスタイル抜群のマネキンが、リアルに出てきてそこにいるみたいだ。
人間って、つくづく不幸平だと思う。
こんな大企業のエリートってだけでも人生バラ色だっていうのに。
チビでもなくハゲでもなくデブでもなく。
こんなパーフェクトなルックスで生まれたなんて……世の中はおかしなことばかり。