リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



ボーッとそんなことを考えていると、エレベーターが到着し、ゆっくりとドアが開いた。


彼が先に乗り込んだので、私もすぐにエレベーターに乗る。


表示されている階の数字は、あっという間に19から21へと変わっていった。


ついに、最上階に到着だ。

エレベーターを降りた途端に、なんだか一気に緊張してきた。


「この階には、秘書部と役員室、それから社長室がある」


そう言いながら歩きだしていく彼の後を、私は慌ててついていく。

だけどあまりの緊張で、手に汗が浮かんできていた。


と、その時。

目の前を歩く彼がいきなり立ち止まったから、私も驚いて立ち止まってしまった。



「そういやさぁ……キミ。その格好を見る限り就活生だよね?」


「はっ、はい……」


「新卒?」


「いえっ……ち、違います」


私がそう答えると、彼は指先で顎を触りながらこちらをジッと見ている。



「そうか…でも何で大…いや、青山部長がキミひとりのために社内見学なんて?」



何で……って聞かれても……

あなたが知らないってことは、勝手に私が説明しちゃっていいものなのかもわからないわけだし。


「……なっ、何で…なんですかね」


ひとまずうつむいて、私はそうとぼけることしか出来なかった。



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