リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「こいつ、真琴ちゃんがあまりにも綺麗になってたから気付かなかったみたいだな」
青山さんがクスッと笑って隣から私を見下ろす。
私が綺麗?
「こいつ、これでも真琴ちゃんのこと気にしてたんだよ。確か、シャイニーの前でバッタリ会ったんだって?そこで随分真琴ちゃんにキツイこと言ってしまったとかなんとか。なぁ?友樹」
えっ?この男が?
あんなにヒドイこと言った張本人が?
「ばっ、バカ言うなよ。何で俺が気にしなきゃなんねえんだよ……」
そうだよ、この人が私のことなんて気にするわけ……
「とか言って、いつもジムでキョロキョロしたりして、ずっと気にしてたくせに」
「はぁ⁉︎べっ、別に俺は気になんて」
目の前で繰り広げられる双子の会話に、頭がついていかない。
私をバカにしていたあの性悪男が、私にキツイ言い方をしたことを気にしてたってこと?
「まぁ、とにかく。立ち話もなんだし、とりあえず社長室に行こう。真琴ちゃんがどうして社内見学なんてしてるのか、詳しい話はそこで説明する」
「説明するって、俺も行くのかよ」
「来なかったら何でここに彼女がいるのかわからないままだろう?この話は社内ではシークレットだから。理由を知りたきゃとりあえず来い」
青山さんがそう言うと、彼は納得がいかない様子だったけど渋々小さく頷いた。
この人も一緒に社長室に行くのか……。
大丈夫なのかな。会長に、こいつを雇うな!とか言わないよね?
人生最大のチャンスを、絶対に逃すわけにはいかない。
「じゃあ行こうか、真琴ちゃん」
「…はっ、はい!」
青山さんに優しく背中を押された私は、スーッと深呼吸して一歩ずつ踏み出した。