リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
もう、自ら言った方がいいのかもしれない。
社長の口からこの会社に相応しい人材ではないと聞かされるよりも、その方が少しはダメージが軽くなるかもしれないし……
意を決して、私は顔をあげる。
「あっ………あのっ」
「簡潔に言うと、母があなたのことを気に入ったから入社までさせるっていう単純な理由は、周囲にバレてしまうとこちらとしても都合が悪い。
真琴さんの立場的にも嫉妬や嫌がらせなんかを受けるかもしれないだろう?」
だけど口を開いたと同時に、そんな社長の声が重なった。
「だから、このことはくれぐれも内密に。真琴さんには今年の新入社員と同じ、7つの面接をクリアして入社してきたということにしておいてもらえないかなと思ってね」
えっ?
入社してきたということに……しておいてもらえないか⁉︎
入社ってもしかして……私、ここに入社できるの⁉︎
まさかそういうこと⁉︎
「それで、入社後の配属先なんだが」
「はっ、はい!」
緊張しすぎて、声が裏返りそうだ。
「新入社員はもうすでに各部署への配属が決まっているんだ。そこで、会長ともさっき話をしていたんだが、真琴さんはIT企画推進部に配属しようという話でまとまった」
「IT企画…推進部」
……って、えええっ⁉︎
IT企画推進部って、青山友樹が部長の部署じゃん?
なっ、何でよりによってそこなの⁉︎
あんなにもたくさんいろんな部署があったじゃん?
「ちょっと待ってよ叔父さん、何でうちの部署なんだよ⁉︎」
青山友樹も納得がいかないのか、そう声をあげる。
「叔父さんじゃなくてここでは社長と呼びなさい。それに、IT企画推進部はデスクも増えたことだし、配属先としては余裕がある。それに引き換え他部署はもういっぱいだ。わかるだろう?友樹」
「……わかるだろうって、そりゃ、うちの部署は他に比べたら余裕あるかもしれないけど」
「なっ?だからそういうことだ。私と会長でもう決めたことなんだし、あとはよろしく頼む」
ウソでしょ……
私が…青山友樹が部長を務める部署に配属なんて……
ウソだと言ってよ!社長〜!