リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「ため息をつくなんて、全く楽しんでなさそうだな」
えっ?
後ろから声がして、私は慌てて振り返る。
……うそっ、あ、青山……友樹だ。
目が合った瞬間、思わずびっくりして一歩後ろに下がった。
「他の連中は?」
「あっ、えっと…男性陣は食事してて、田中さんは青山さんとシャンパンを飲みに行きました」
「はあ?ったくあいつは…油断も隙もねえ奴だな」
青山友……じゃなくて。
青山部長は呆れ顔でそう言うと、眉をしかめて周囲を見渡す。
そして、私にまた目を向けたかと思ったら、黙ってどこかに行ってしまった。
……なっ、何なの?
いきなり現れたから、びっくりしちゃったじゃない。
ドキドキする胸をそっと押さえると、スーツ越しでも伝わってくるくらい私の心臓はバクバクしていた。
気持ちを落ち着かせるために、スーッと息を吸い込み、ゆっくりと吐く。
だけど次の瞬間。
またこちらへ戻ってくる青山部長の姿が見えて。
その距離が迫ってくると、おさまりかけていた胸の鼓動はまた加速していった。
そして……
「ついて来い」
目の前までやって来た青山部長は私にそう言うと、手には何故か料理が乗せられたお皿とシャンパングラスを器用に2つ持ったままどこかへ歩いていく。
だから私も、黙ってその後をついて行った。