リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
顔が、カーッと熱くなってくる。
こんなのパワハラじゃんか!
いや、でも…コネ入社と言われればそうなるわけだしな……
えっ⁉︎だとしたら私は今日からこの人のイエスマン⁉︎
「青山部長〜っ!」
と、その時だった。
聞こえてきた声の方に目を向けると、見覚えのある女性の姿があった。
この人…確か…
「おう、コ……相沢、どうした?」
そうだ。コウさん!
秘書部の相沢コウさんだ!
あのグラマラスボディの印象が強かったからか、すぐに思い出せた。
「こんなところで何してるの?」
「えっ、何って…」
二人が話す姿を見ていると、何故か部長と目が合った。
すると、相沢さんの視線も自然とこちらに向く。
「あっ、まさか新入社員を口説いてたりしてたの?」
「ばっ、バカ言うなよ。この子はほら、ばあちゃんのお気に入りの」
「あーっ!あの時のあの人か!」
部長と相沢さんの会話を聞いていると、やっぱりな、と改めて思った。
この人は、絶対に部長と親しい間柄だ。
じゃなきゃ社長から入社理由は内密に、と言われているはずなのに、私のことを「ばあちゃんのお気に入り」なんて言うわけがない。
そもそも会長夫人のことをばあちゃん、と話すあたりもおかしいし。
そっか。この人には、私の入社理由の話までしてるってことなのか…。
何故だかよくわからないけど、いい気分ではない。
青山兄弟以外に私のコネ入社を知ってる人がいるのは、想定外だったぶん、なんだか少しショックな気もしてしまった。