リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



「あぁ…気持ち悪い…」


帰り道は、調子に乗って飲みほしてしまったシャンパンと揺れ動く電車のせいで最高に気分が悪かった。


若干フラつきながらなんとか帰宅したけれど、社会人としてようやく一歩を踏み出せた安堵感からか、帰るとすぐにそのまま眠りについてしまっていた。


夜中にふと目をさますと、ドキドキした入社式のことを思い出したけど。


緊張した入社式のことよりも、オリエンテーションのことよりも、あの懇親パーティーのことよりも。


何故か一番鮮明に思い出すのは…部長とあの秘書さんが仲良さ気にやりとりしていた光景ばかりで。

自分でもよくわからないけど…あのふたりの関係がなんだか気になってしまっていた。


もう付き合いは長いんだろうか。

私の入社理由も知っていたくらいだから、もしかしたら会長も公認の関係?


だとしたら…相当深い間柄なんだろうな。



「…って。別に私には関係ないじゃん」


なんて…ひとりごとをつぶやいた社会人1日目の夜。


「…そうそう!関係ないし」


自分に言い聞かせるように何故かそんなことを口にした私はもう一度眠りにつくため目を閉じた。


「今日からお前は俺のイエスマンだな」


…関係ない。

あんなこと言ってくるようなパワハラ上司。


私には…関係ないんだから。


< 257 / 407 >

この作品をシェア

pagetop