リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



心地よい春の風を感じながらオフィス街を歩き、たどり着いた青山商事。

昨日受け取ったばかりの社員証をカバンから取り出すと、私はドキドキしながら社員専用の改札機にそれをかざして通り抜けた。


「ふぅ…」

無事に入社出来たといえども、まだまだ緊張感が抜けない。

社員証を首にかけると、よし、と自分に気合いを入れて私はエレベーターを待っていた。


「おはよう、大月」

えっ?

「あっ…おはよう…ございます」


いつの間にか隣に立っていた的場君に気付き、慌てて挨拶をする。


「昨日ってすぐ帰った?」

「えっ、あぁ…はい」

「だよな。探してもいなかったから」


エレベーターが開き、一緒に乗り込んでからも的場君はずっと話を続けたままで。


「懇親パーティーの後、同期メンバーで飲みに行ったんだけどさ」

「はい…」

「調子に乗って飲んじゃって、今日完全に二日酔いなんだよね」


眠そうにあくびをする横顔を見ていると、私と違って緊張感とは無縁というか。

なんだか余裕がある人だなぁと感じた。


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