リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「大月」
だけどクスッと笑っていると、いきなり部長に名前を呼ばれたので、私は慌てて立ち上がった。
「はい!」
「これ、各3枚ずつコピー頼む」
部長はそう言うと、デスクから私に向けて手にした書類を差し出している。
「はい!各3枚ですね!」
そう言いながら急いでそれを取りに部長の元に向かうと、書類を受け取る瞬間、私にしか聞こえないくらいの小さな声で部長は口を開いた。
「もう、もしかしたら出会えてるんじゃないか?」
「えっ?」
「良い友達になると思うぞ、あいつらは」
部長はそう言うと、的場君や美琴ちゃんのデスクに目を向けながら、私にそっと書類を渡してくれた。
もしかしたら、もう出会えてる?
的場君や美琴ちゃんは、ただの同期ではなく、友達と呼べるような友達に…なってくれるのかな?
「とりあえず俺は今から会議に行ってくる」
「えっ?」
「1時間程度で戻ると思うから、コピーが済んだら俺のデスクに置いててくれ」
部長はそう言うと、スッと立ち上がり、それからすぐにオフィスから出ていってしまった。
私はひとまず頼まれたコピーをとり、言われた通りに部長のデスクに置くと自分の業務に戻ったけれど。
ずっと感じている不思議な胸のざわめきは、どんどんひどくなっていく一方で。
「はぁっ…」
別に、何かに何の不満もあるわけでないのに。
何故かこの日を境に、何度も何度もため息がこぼれるようになっていった。