リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「まぁ慣れてきたみたいで良かったじゃん」
「うん、まぁ…ね」
いつもの早朝ウォーキング。
隣を歩く健太は、少しずつ職場に慣れてきたと言った私になんだかホッとしたような表情を浮かべた。
「えっ、もしかして心配してくれてたとか?」
横から覗き込むように、健太の視界に無理矢理入る。
すると、目が合った健太はよそよそしく私から目をそらして。
「別に」
と、一言つぶやくように言った。
「とか言って、心配してくれてるくせに」
長年の付き合い。
そっけないフリをしたって、態度でわかっちゃうんだから。
「今のところは職場も楽しいし。同期も先輩も優しい人ばっかりだから、心配しなくても大丈夫だよ」
私がそう言うと、健太はゆっくりとこっちを向く。
視線が…ジッと繋がった。
「なっ、何?」
「……いや、楽しいとか言ってるわりに、なんか浮かない表情してるような気もするからさ」
健太にそう言われ、思わず胸がドキッと反応した。
「長年の付き合いじゃん?態度でわかるんだって。なんか気になってることでもあるんじゃねえの?」
さすが…幼なじみだな。
気になってること…あるのかって聞かれたら、正直ある…。
でも、こんなこと健太に話すのは、なんだか…なぁ。
「何だよ?」
目が合ったまま再度そう言われた私は健太からパッと目をそらして。
「何にもないよ?本当、毎日楽しいしね〜」
わざと明るく言いながら空を見上げる。
「今日も天気良さそうだね!」
「えっ?あぁ…そうだな」
本当は、少しだけ話そうか悩んだけど。
自分でもよくわからない胸のモヤモヤを話したところで健太にわかるわけないし。
とりあえず今は…まだ何も言わないでおこうと思う。