リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「まぁ、あの時の衝撃よりはかなりマシになったけどな」
えっ?あの時の衝撃?
顔を上げ、部長に目を向ける。
「体が半分になったら、ぶつかった時のダメージも半分になるもんなんだな」
「体が…半分」
「覚えてないのか?前にも俺にぶつかったことがあっただろう」
「……あっ」
そう言われて思い出したのは、苦いあの時の記憶だった。
「そういえば、あの時私…部長にぶつかったのに青山さんと勘違いしちゃって……部長に傘を返そうとしたんですよね」
だけどそれは、顔だけがそっくりの目の前のこの人で。
笑われて、冷たい言葉を投げかけられて。
あの時のことを思い出すと、今でもまだ…胸がキュッと傷む。
「…あの頃は、部長と青山さんが双子だなんて知らなかったから。本当、なんて嫌な二重人格男なんだろうって…思ってました」
言いながら部長を見ると、目が合った部長は私を見てクスッと笑う。
「二重人格…ね。まぁ、勘違いしてたんなら仕方ない気もするが。俺はマジでストーカーかと思ったぞ、その後もジムで会った時は」
…ストーカーか。
そういやジムで会った時に、そんなことを言われたような記憶があるな。
いや、むしろハッキリと覚えてる。
この人に言われた一語一句…
あの、ショーウインドーの前で言われた言葉だって全て…私の頭の中に記憶されてるんだから。