リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



「真琴ちゃん、なんかあった?」

「えっ?」


賑やかな昼間の社員食堂。

隣に座っていた美琴ちゃんの声でボーッとしていた頭が我に返る。


「本当ずっとボーッとしてるよな、大月。全然食ってないし」


そして目の前に座っている的場君の言葉で、私は慌てて箸を動かした。


「たっ、食べてるよ!食べる!」


そう言いながらトレーに乗った日替わり定食に視線を落とし、ハイペースにごはんをかきこむ。

するとすでに食べ終わっているふたりが、目の前で話し始めた。


「そういやさぁ、今日って歓迎会だよね」

「うん。一応19時から始まるって言ってたけど」


……そっか、もう週末か。

金曜日は新入社員の歓迎会だって聞いてたけど、やっぱりみんな行く…んだよね。

行かないなんて選択肢は、絶対にないんだろうな。


「場所は聞いた?」

「あぁ、ここから歩いて10分かからないくらいのダイニングバーだって。120人くらいで貸切らしいぞ」

「120人?」

「あぁ。うちの部署と、経営企画部と、秘書部だったかな?3部署が合同でやるとか聞いたけど」

「そうなの?初耳なんだけど」


…そうだよ、私も聞いてないんですけど。

黙ってごはんを食べながら、ふたりの会話の続きを聞いていたけど。


ただの歓迎会ではなく3部署合同の歓迎会だと知ってしまってからは、ますます参加するのが嫌になってきていた。


だって、秘書部って、あの人も来るかもしれないんだよね?

いや、来るかもじゃなくて、確実に来るよね?

あの…相沢コウさんって人も。


いやいや、ちょっと待って。

別に秘書部の相沢さんが来ようがどうしようが、私には何も関係ないじゃん。


じゃあ、何で?

私…どうして今、一瞬嫌だなって思ったの。


関係ないのに。

……あの人と部長のことなんて、私には何も関係ないのに。


何で私は、あの二人のことをこんなにも気にしてしまってるんだろう。



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