リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「お疲れ様」
「俺たち先行ってるぞ」
結局、食堂からずっと感じているモヤモヤした気持ちは消化されないまま就業時間は終わり…同期たち数人が先にオフィスをあとにしていく。
「真琴ちゃん、一緒にお店まで行こうね!」
「俺ももう終わるからちょっと待って」
そして美琴ちゃんと的場君にそう言われた私も、デスクの上を片付けて帰る支度を始めた。
だけど、やっぱり何故か気になって、チラッと部長に目を向ける。
部長はまだ仕事をしているらしく、視線はパソコンに向いたまま動くことはない。
…部長は来ないのかな。
いや、来るよね?部長なんだし…。
いろいろ思うことはあったけど、私が変に聞くのもおかしい気がして、そのまま部長から視線をそらした。
「よしっ、終了!」
「じゃあ、行こっか!」
それから帰る支度が整った私たち3人は同時に立ち上がって、残っている先輩たちに声をかけた。
「お疲れ様です」
「お先に失礼します」
するとその声に気付いた数人の先輩たちはみんな笑顔を向けてくれて。
「後から顔出すから」
「行くまで酔っ払うなよ〜!」
と、私たちを送り出してくれた。
だけど部長だけは、仕事に集中しているのか私たちの方に顔を向けてくれることはなくて。
オフィスを出る最後の最後まで目で追ってみたけれど、こっちを向いて何かを言ってくれることはなかった。
まだ…かなり仕事が残ってるのかな。
今日は…もしかしたら来れないんじゃない?
エレベーターに乗ってからも、歓迎会が行なわれるダイニングバーに向かっている最中も。
どういうわけか、頭の中は部長のことでいっぱいで。
的場君を先頭に、歓迎会のお店に着いてからも。
テンション高く盛り上がる同期たちを横目に、私はといえば…
「はぁっ…」
何度もため息ばかりをこぼすばかりだった。