リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



「あの人と付き合ってるのかな?」

「えっ?いや……私は知らないけど」

「そっかー、っていうかさー、青山部長って本当に超カッコイイんだけど、とにかく女がいっぱいいそうだよね、あの感じだと」


美琴ちゃんはそう言うと、私にボソッと耳打ちする。


「多分だけど、あの経営企画部の人とも関係ありそうな感じなんだよね」


「えっ?」


美琴ちゃんの視線をたどると、秘書部の美咲さんといちゃいちゃする様子を離れた席からジッと見ている女性の姿を見つけた。


「さっきまでは、ずっとあの人の隣にいたの。超仲良さそうな感じで」

「そ、そうなんだ…」

「なんかさー、ああいう姿見てると、やっぱ男は優しいだけとか見た目じゃなくて…中身だって思っちゃうよね」


美琴ちゃんはそう言うと、目の前のグラスビールをごくごく飲み干していく。


「あーあっ。来週食事に行こうって誘われてたけど。数いる中の一人にはなりたくないし……やめとこうかな、食事行くのは」


「……うーん。そうした方がいいかもね。あの人、ここだけの話、秘書さんやあの経営企画部の女性だけじゃないと思うんだ。他にも多分、いると思う」


私がそう言うと、美琴ちゃんはハッとした顔でこっちを向いて。


「マジで⁉︎」

と、若干落ち込み気味に言った。

だけど数秒黙り込んだ後、私にニッと笑ったかと思ったら。


「じゃあ、弟の方。うちの部長は⁉︎」


と、突拍子もないことを口にした。


「えっ…うちの部長って、部長のこと?双子の弟の方ってことだよね?」


「うん!そう!うちの部長はあのお兄ちゃんの方と比べたら口数も少ないしクールだけど、イケメンはイケメンじゃん?」



イケメンは…イケメンか。
まぁ、それは納得。

でも性格は、決して良いとは言えない。


「確かに顔だけはイケメンだけど…。あの双子はやめておいた方がいいよ。お兄ちゃんもお兄ちゃんだけど、あの部長も…性格は結構なクセモノだから」


私がそう言うと、美琴ちゃんはわかりやすく肩を落として。


「あー、クセモノは嫌だなー。でも、やっぱオールパーフェクトな人ってなかなかいないもんなんだね…そりゃそうだよねー。まぁいいや!今日はとことん飲もう!ね!」


彼女はそう言いながら、いきなり肩を抱いてきた。


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