リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「あのさぁ…私ね」
それから私が本当はお酒が弱いことを正直にカミングアウトすると、美琴ちゃんはアルコール微量のカクテルをチョイスしてくれて。
「じゃあもう一回!カンパーイ!」
そして気が付けば、美琴ちゃんに乗せられるまま…私は今、3杯目のカクテルを口にしている。
3杯目のお酒なんて、人生初のことだ。
そのせいか、顔は熱くて体もなんだかポカポカしているけど。
1時間ほど経っても気分は悪くなることはないから、同期や先輩たちが騒ぐ中で静かにカクテルを飲みながらその様子を黙って見ていた。
だけど…美琴ちゃんがトイレへと席をはずしたかったと思ったら。
「大月〜」
いきなり隣に座ってきた大石主任に肩を抱かれ、思わず肩がビクッとすくんだ。
「飲んでるか〜?」
「はっ、はい……」
あまりに至近距離で喋られるせいか、漏れてくる息が酒臭くてたまらない。
「全然飲んでないだろ〜?」
主任は私の肩を抱いたまま、目の前にある私のグラスをもち、無理やり口まで運んでくる。
「のっ、飲んでますよ!自分で飲めますし!」
慌てて主任からグラスを奪うと、その瞬間耳元に主任の唇が近づいてきた。
「つまんないしふたりで抜ける?」
「ふぇっ⁉︎」
訳のわからない言葉に、思わず変な声が出る。
「ははっ、大月マジ可愛い〜」
主任はそう言うと、至近距離で私の顔をジーッと見つめてきて。
えっ、やっ、ちょっと…待って、近い。
近い近い近い!
少しずつ、その距離を縮めてくる。