リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「大石」
だけど次の瞬間、そんな声とともに私と大石主任の間に救世主のような大きな手が現れた。
ハッとなって見上げると、私たちの座っている椅子の後ろには部長が立っていて。
「おまえ、もう酔ってるのか」
そう言った部長は、大石主任のおでこを指先でパチンとはじいた。
「へへっ、すいません、酔ってまーす!」
大石主任はなんだか気まずそうに笑うと、トイレに行ってくると言って慌てた様子で席をはずす。
「…ったく、あいつはいつもああだな」
そして大石主任がいなくなったからか、
空いてしまった隣の席にそのまま部長が腰掛けた。
「部長……飲み物は、どうしますか?」
なんだかドキドキしていたけど、ひとまず来たばかりの部長に何を飲むか確認する。
「あぁ。とりあえずビール」
「ビールですね。すいま…」
店員さんに注文しようと、私は言いながら手を上げようとした。
「自分で頼むからいい」
だけど部長は私の手をスッと抑えて。
「すいませーん、ビールひとつ」
近くを通った店員さんに注文する。
「つーか、おまえは?」
そして、いきなりこっちを向いたかと思ったら私が持っていたグラスを見つめて。
「これと同じの、おかわりください」
店員さんに、サラッとそう言った。