リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



「えっ、まっ、まだ半分残ってるんですけど」


慌ててそう言ったけれど、時すでに遅し。

すでにいなくなってしまった店員のかわりに、部長はクスッと笑う。


「上司と乾杯する時は新しいもので乾杯しろ」

「えっ?…あっ…そうなんですか⁉︎」

「なーんてな。別に自由にすればいいけど。それくらいふた口あれば飲めるだろ」


部長にそう言われると、なんだかつい、ムキになってしまう。


「飲め…ますよ」


そして人生初の3杯目のお酒を、私はドキドキしながら一気に飲み干した。


するとすぐに部長の生ビールと私の新しいお酒が運ばれてきて。


「じゃあ、ちょっと遅れたけど。みんなおめでとう」


トイレに行っていた美琴ちゃんや同期たちが揃ったタイミングで、部長が改めて乾杯の音頭をとった。


「乾杯〜!」

「何回目だよ、今日」


みんながみんな左右互いにグラスを当て合っていく。

すでに半数は酔っているのか、その姿は力が抜けていて。

見ていると、なんだかおかしくてつい笑ってしまった。


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