リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



…ウソでしょ。

もしかして私、この人の膝で寝てた?

いや、もしかしてっていうか……確実にそうだよね?


それに、私の足元にかけられているこの上着は…。

恐る恐る、改めて部長に目を向けた。


あぁ…そうか。やっぱりそうか。

部長が上着を着てないってことは、つまりこれは…部長の上着ってことだよね?


私は慌てて周囲を見渡した。

店内は綺麗に片付けられていて、やけにシーンと静まり返っている。

いたはずの同期たちや会社の人たちの姿もなく、店員さんすらいるような気配を感じられない。


っていうか今何時⁉︎

そう思いながら腕につけていた時計に視線を落とした。


…ウソ⁉︎


時刻はもう、朝の6時過ぎだった。


私、どれだけ寝てたわけ?いつから?どこから?


記憶をたどってみても、あやふやにしか覚えていない。

たしか、相沢さんが部長に声をかけに来て…それから…そうだ!何故だか私は一気にカクテルを飲み干して…それからもう一杯頼んだんだよな。


ってことは?結局私、5杯も飲んだの?

…いや、でも。5杯目は口をつけたのか、飲み干したのかもわからない。


自分がどの段階で寝てしまっていたのかがわからないから、会社の人たちにどんな失態を晒してしまったのか…そう考えるととにかく不安でたまらなかった。


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