リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「覚えてないならいい。しっかし…おまえ本当によく寝てたな」
「…すみま…せん」
「歓迎会とはいえ上司の膝の上で寝るなんて、そんな肝の座った新入社員は初めてだ」
部長はそう言うと、意地悪そうに片方の口角を上げる。
何か言い返してやりたいのは山々だけど、今回ばかりは言い返す言葉も見つからない。
上司の膝の上で寝るなんて、とんでもなく失礼極まりないことだ。
私は黙ったまま、頭を下げるしかなかった。
「それで?酔いは覚めたのか」
「……はい。おかげさまで…」
「もう6時過ぎだしな。これだけ寝てりゃ酔いも覚めるはずだ」
部長は腕の時計をチラッと見ると、肩にかけていた上着をサッと着直して立ち上がる。
「タクシー呼んでおけ。トイレに行ってくる」
そして胸ポケットから財布を取り出すと、タクシー会社の名刺のようなものを私に手渡した。