リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「大月お疲れ!」
「えっ、あ…もうこんな時間か…」
的場くんに肩を叩かれ、オフィスの時計に目を向けた私は就業時間から30分が過ぎていたことに気がついた。
周囲を見渡してみると、金曜日ということもあってか、残って仕事をしている人はチラホラいるだけだった。
うちの部署は、金曜日となると「飲みに行くぞー!」って連れ立って帰っていく人が多い。
「あ…美琴ちゃんは?」
「ああ、田中なら18時ぴったりに帰ってったぞ?なんか今日は元カレとデートだとか言って張り切って化粧室寄ってたし」
的場くんの言葉に、思わず笑みがこぼれた。
「そっか、美琴ちゃんデートなんだ」
今日少し時間があれば、話を聞いてもらえたらなぁ…なんて思っていたけど、デートなら仕方ない。
「大月はまだ仕事残ってんの?」
「うーん、あとちょっとね」
「そっか。手伝ってやりたいとこなんだけど」
「あ!もしかして的場くんもデート?」
ふざけてそう聞くと、的場くんはプッと吹き出すように笑う。
「俺は今から大石主任の飲み会に強制参加。総務部の女の子たちと飲むらしい」
「へぇーっ、楽しそうだね!」
「大月も来るか?」
「えっ?私!?いや、私なんか行ったら飲み会の邪魔になるでしょ」
首をブンブン横に振りながら答えていると、オフィスの入口から大石主任の声が聞こえてきた。